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ダライ・ラマ、イタリア訪問 対話と平和を強く求める

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1999年10月19日
ミラノ(ロイター通信)

チベットの精神的指導者、ダライ・ラマは10月19日、対話と非暴力のみこそ、チベットの同胞たちが中国から待望の自治を手に入れることを可能にすると述べた。

64歳になるダライ・ラマは、財政面の首都ともいえるミラノでの6日間を含む9日間のイタリア滞在の初日、記者会見に応じた。ダライ・ラマは欧州歴訪の1つとして訪問したアムステルダムからイタリアに到着したが、江沢民中国国家出席も中国首脳としては初めてイギリスをスタートに歴訪をしたばかりである。

「ダライ・ラマとはチベット人の大きな希望であり、チベットが占領されているという問題の追及を象徴しているのです」黄色と赤紫の袈裟を身につけ、眼鏡をかけたこの僧侶は、にっこりと言った。

1950年以来中共に侵攻されていたチベットを、1959年のチベット民族蜂起を機に亡命。北インドのダラムサラにチベット亡命政権を打ち建てた。1989年、チベットの自治を更に求める平和に根ざした活動により、ノーベル平和賞を受賞。しかし、中国政府はダライ・ラマを暴力と反乱を扇動する者として中傷している。

中国はチベットが非常に近代化したことを述べている。そして中国政府は、もしダライ・ラマがチベットは永久に中国の1部であることを認めるなら、対話に応じてもよいとしている。しかし、中国はその敬虔な仏教徒の土地であるチベットに数千の軍隊を常に配置している。

チベット語と英語で交互に溌剌に語るダライ・ラマは言う。
「チベットの人々はいまだ苦難の中にある。中国当局はいつもこの状況にまごついている状態である。遅かれ早かれ、この問題を解決するよう何か行動がなされなければならない」

◆◆ 平和の聖域としてのチベット ◆◆

ダライ・ラマは、ヒマラヤの地域(チベット)に独立ではなく自治を求めている。彼のヴィジョンは、チベットがアジアの戦略的な中心地において「平和の聖域」になることである。

「私は中国と誤解をなくし、対話を持とうとしてきた。それでチベットの独立という目標を放棄したのだ」とダライ・ラマ。 「私は、支持者たちに中国と良い関係を築くことは大変重要なことであると常に言っている。しかし、人権、自由、民主主義のようないくつかの問題に関しては確固たる態度をとらなければならない」

「中国の公式文書のチベットに関する項目では、ダライ・ラマが歴訪しチベット問題をプロモートする行動が旧体制をまた打ち建てるのがねらいであると言及しているが、これは全く真実ではない」

「歴史は歴史」とダライ・ラマは続ける。

「私自身の将来に関する限り、チベットがチベット人のもとに戻った日には、自由な尺度で、私の政治的権力を、チベット人によって民主的に選ばれ合法だと希望してやまないチベット政府に譲るつもりである」

「中国がチベットの文化、宗教遺産、自治を保証する限り、チベットは中華人民共和国にとどまるだろう」と付け加えた。

ダライ・ラマは、紛争を解決する最良の方法は非暴力と信じていることを述べた。

ミラノの地方政府役人や大学生、教授と会談、チベットの文化展のオープニングの後、ダライ・ラマは、ミラノで最大のチベット文化センターの1つにゲストとして、「自由への道」と題した4日間に渡る講話を行う。

10月25日、ダライ・ラマはローマに向けて出発する。ローマでは、ヴァチカンのヨハネ・パウロ2世やイタリア政府の首脳たちと会談する。
そして10月28日、インドに向けてイタリアを発つ。